2012年1月24日火曜日

教材について~計算問題集の重要性~

振り返ってみると、今年度は新しいことに取り組んだ年であった。

①英数ラボとして個別指導に取り組んだこと

②教材を作成したこと
③高校数学の問題(大学入試問題)を本格的に研究したこと
である。

今日は、②教材を作成したことについて書いてみようと思う。

教材について、私はこれまで(今でも本質的にはそう思っているが)何を使うかではなく、どう使うかが最も大切であると考えてきた(このように言われてもピンとこない方は、科目は違うが多くの中高一貫校でPROGRESSやNEW TREASUREを上手く使えていないという事実を思い起こしてみていただきたい)。もちろん、あらゆるところに間違いが書かれているようなものは使用に耐えないが、そうでなければやはり、どう使うかの方がはるかに大切である。だから当室では、一般的に評価の高い市販の教材を使って授業を行い、使い方(学習の仕方)の指導に重点を置いてきた。
結果が出ていなければこの意見は単なる独りよがりにすぎないが、今年も3人が駿台全国模試の成績優秀者に名前が掲載されたし、昨年は4人が掲載された。それ以前も、1人も掲載されなかった年を探す方が難しいくらい毎年のように掲載されてきた。
中3は毎年10人そこそこしかいないのにである。

しかし、それでも自分としては納得できていなかったのが、生徒に適切な計算問題集を持たせることができていなかったことである。これは単純に、中学生用の適切な計算問題集が市販のものも塾用教材のものも含めて存在しなかったからで、これまでは自分が中学1年生の時に使用したもの(絶版)や生徒のレベルに合わせて何冊かの問題集や様々な学校の入試問題からピックアップして、プリントとして配布してきたのだが、プリントだと生徒はやったらすぐになくしてしまうので、何度も計算練習を繰り返させるということが徹底できなかった。その結果、入試直前になっても、計算をボロボロ間違える生徒ばかりで(私の)頭を悩ませてきた。(当の本人達は暢気なもので全く意に介していなかった。それでも、駿台模試に毎年何人も名前が掲載される上に、このように全国トップクラスの合格実績が出るのだから、世の中の他の塾の生徒の計算力と言ったら、私から見たらもうどうしようもないレベルなのだと思う。)

そこで、重い腰を上げて、計算問題集を作成することにしたのだが、これがなかなか大変な作業であった。最初は卒業生をアルバイトに使ってタイプしてもらえばいいと思って、最初の数ページはやってもらってはみたものの、やはり細かい問題の配置などが気になって、結局自分で全て打ち直すことになってしまった。最終段階まで来て、何とか年内に目途をつけたかったこともあり、下書きの段階のタイプを数十問卒業生の藤巻さんにお願いしてやってもらった。この場をかりてお礼を言いたい。

中学数学の計算問題としては、基礎から初めてこれ以上やる必要はないというものができたと思う。これからはこのテキストの問題を間違う問題がなくなるまで繰り返し練習するだけで、中学範囲では全国トップクラスの実力が付くであろう(これの半分の量も繰り返しやらせてあげれなかったこれまでの卒業生たちが、駿台模試で名前が掲載されているのだから当然である)。



2012年1月19日木曜日

はじめまして

英数研究室  数学ブログです。
学習塾の本来あるべき指導の姿とは「生徒に教えすぎることなく自分で考えさせることである」という思いのもと、昨今の手取り足取り指導を謳う塾業界に一石を投じるため、大泉英数研究室を開設いたしました。
「塾に通って手取り足取り指導してもらって成績が上がった」と喜ばれる保護者の皆さんには、「いつまで手取り足取り教え続けるのか?」「手取り足取り教えることが本当に子供の人間的成長にとって+になるのか?」「手取り足取り教えることで自分では何も考えられない人間にしてしまってはいないか?」という疑問を是非とも持っていただきたいと思います。

このような思いでの開設から早いもので10年の月日が流れました。
時代に逆行する考えなのか、中々理解がえられませんが、それでも理解して下さった少数派の保護者の皆様と生徒たちに支えられてここまでやってくることができました。
我々の思いが時代に逆行していたとしても、正しいということは卒業生達が築いた実績が物語っています。
簡単ながら当室の指導メソッドをご紹介いたします。

~本物の思考力をつける確かな指導メソッドと実績~
一般的原理から具体的な事象を導き出す演繹法(具体化)と、
具体的な事象から一般的原理を導き出す帰納法(抽象化)。
有形無形の森羅万象に潜む真理を導き出すために人類が生み出した思考法です。
英数研究室では、
「演繹(具体化)する力+帰納(抽象化)する力=思考力」と定義。
英語・数学の学習を通じて、演繹(具体化)・帰納(抽象化)を意識・習慣化させる指導メソッドが思考回路を育て、本物の思考力獲得へと導きます。

開設以来10年間、一貫してこの理念の下に、高校受験を成長過程における通過点として捉え、将来の大学受験さらには大学・大学院での研究、仕事に結びつく思考力の獲得を第一義に指導してまいりました。そのため、短期的な学力アップを図るだけで、本物の思考力獲得には妨げとなる長時間に及ぶ講習・特訓授業・合宿・志望校別対策授業を一切排除するなど他塾とはシステムが全く異質です。
また、指導メソッドの面でも、問題数をこなすことで無自覚に成績アップを図る「量の学習」を否定し、最小の問題数で演繹・帰納を意識する「質の学習」が身につくように構築しています。この学習法は宿題量が少なく、短期的な成績アップには結びつきにくい側面があるのも事実です。
しかしながら、長期的視野に立てば、一部の優秀層だけでなく一般的な学力の生徒にも有益であることを当研究室の難関高校進学率(多くの大手塾が発表している“のべ合格者数”ではありません!!)や大学進学実績が証明していると考えています。
http://eisuken2002.jimdo.com/実績/