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2015年2月2日月曜日

数学Ⅵ ~祝・数学全国模試1位  そしてその極意は~

月曜日に行っている数学Ⅵはシークレット授業?ということで、授業内容については当ブログでも触れていないが、昨年は中央大学法学部の数学入試問題で的中があったことのみお伝えした(http://eisuken2012.blogspot.jp/2014/02/210.html)。

その時にも触れたことだが、当室で行っている授業内容を完璧に復習しておいてくれればそれだけで、ほぼどこの大学でも合格点を取れるということは間違いない。今年度の数学Ⅵ受講生にもこのことはずっと言い続けてきたが、数学Ⅲ、Ⅳの総復習テスト(テキストと全く同じ問題)ですら安定して8割を取れる生徒は秋まで一人もいなかった。しかし、秋以降一人だけ総復習テストで安定して8~9割を取れるようになってきた生徒(S君)が出てきたので、これは中々見どころが出てきたなと思っていた。数学Ⅲ、Ⅳのテキストの問題はすべて標準問題だし、授業で解説もしているのだから、それと全く同じ問題での総復習テストなんて満点続出でも不思議ではないはずなのだが、現実にそんな生徒はほとんどいないからだ。
実際、S君は11月の一橋オープン模試(河合塾)で数学全国1位(総合全国2位)になった。もちろん、それまで(総復習テストで安定して8~9割を取れるようになるまで)S君はもっとレベルの低い模試ですら成績優秀者に載ったこともなかった。

先日、某大手予備校有名数学講師の「数学は未知の問題演習をしないといけない」といった内容の記述を見かけたが、目の前にいる生徒の現実の姿(学力)を見ていない上に、できるようになっていない生徒をできるようにしたことのない者の見解だと強く思った。
既知の問題すらできるようになっていない生徒が、未知の問題演習をする意味などあるはずがないではないか!!
数学全国模試でトップになる極意は「第一に、習った標準問題を完璧に習得すること」という当たり前のことなのだ。この当たり前のことをほとんどの受験生はできないし、大手予備校の有名講師ですら間違ったことを指導してくれるものだから、当たり前のことができるだけで全国トップクラスに躍り出ることができるのである。
この有名講師に大手予備校で習ってきた生徒達(したがって過年度生も多いにもかかわらず)のほとんどが、秋以降こんな小さな個人塾で習ってきたS君(現役)に全く歯が立たなくなっているのだから、どちらの指導の姿勢が正しいかは火を見るよりも明らかだと思うのだが・・・

それでもやっぱり、保護者も生徒も大手予備校・塾が大好きだ。ブランドばかり見て本当の姿を見ないのは日本人の大きな特徴だなと強く感じる。

2014年8月24日日曜日

8/23 数学Ⅲ ~条件つき確率に関する注意~

今回は“条件つき確率・事象の独立”について「条件つき確率の定義・確率空間の再設定」「確率の乗法定理」「条件つき確率の利用に関する注意点」「条件つき確率のもう1つの定義 P_A (B)=P(A∩B)/P(A)  に関する注意」「条件つき確率 P_A (B)=P(A∩B)/P(A)  の利用」を講義した。

条件つき確率に関する記述は、多くの教科書、参考書、問題集、塾・予備校教材に間違いが見られる(というより、そのようなものしか見たことがない)。間違いであっても答えはあってしまうため、間違いであることを認識していない著者(講師)も多いはずである。その典型を注意したのが以下の問題。

上記の解答の誤りが指摘できない人は条件つき確率の「定義」を分かっていないので、もう一度学習し直していただきたい。 この解答の誤りについて注意を促しているものは、私が知る限り、故矢野健太郎先生の「解法の手びき  確率・統計」だけである。それ以外の著者(講師)は当たり前のようにこのように書いているが、本人が本当に正しく理解しているならば、初学者相手にはその誤りを断った上で書くべきであるし、またどこが誤りであるのかも注意すべきである。それをしている著者(講師)が矢野先生以外に見当たらないのは、その他の方々は正しく理解していないのだろう。昔と違い、大学入試問題を解くのが得意だった者ばかりが、アルバイト→講師の流れで塾・予備校講師になっており、まともに数学の研究をしたことがないので致し方ないことなのかもしれないが・・・


「世にいる多くの有名講師が誤っていて矢野健太郎が正しいなんてことはないだろう」なんて考える人もいるかもしれないので注意しておくが、矢野健太郎先生とそこいらの有名講師ふぜいを比べるのはそれこそトンチンカンである。矢野先生は若くして東大助教授になりプリンストン高等研究所に呼ばれた程の日本が生んだスーパー数学者の1人である。むしろ、なぜこんな超一流の数学者が受験参考書なんて書いてくれていたのだろう??というのが七不思議の一つにあげられても良いくらいである。矢野先生の著作で学習できた時代は幸せな時代だったのだ。正しく理解したいという方には、故矢野健太郎先生の「解法の手びき  確率・統計」の一読をお勧めする。

宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。言うまでもないことだが、常に以前の学習内容の復習を怠らないようにすること。

2014年5月23日金曜日

5/22 数学Ⅱ ~整数問題の基本~

今回は“場合の数(数えあげの基本)”の残り「組合せの利用」を数題扱った後、“整数問題の基本”について「整数の除法における「商」と「余り」の定義」「倍数・約数の定義」「倍数の個数」「倍数であることの証明」「倍数の判定法」を講義した。

小学校以来、整数の割り算の計算は何度もやったことがあるのに、商と余りの定義は知らない人の方が多い。これには定義を書かない教科書や参考書にも大きな責任があるが、「商と余りの定義も知らないのに商と余りを求められても意味がない」ということを指導できない指導者にも責任があるし、そんな指導者に子供をあずけている保護者にも責任がある。「そんなの知らなくてもできるんだからいいじゃん」という声が聞こえてきそうだが、そういう人は
-20÷3
の商と余りを正確に理由も付けて答えられるだろうか?
数学では「定義(概念)」と「計算(表現)」は表裏一体のものであり、どちらがかけても理論が先に進まないということを忘れてはならない。

宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
言うまでもないことだが、常に以前の学習内容の復習を怠らないようにすること。

2014年4月20日日曜日

4/19 数学Ⅳ ~恒等式の定義と未定係数法の原理~

今回は前回“3次方程式の解と係数の関係”の続き、「3次方程式の解と係数の関係」「3次方程式の解と係数の関係の利用」「3次方程式の解と係数の関係の応用」を講義した後、“恒等式と絶対不等式”について「恒等式の定義」「未定係数法の原理・未定係数法」「未定係数法」を講義した。


「恒等式の定義」とわざわざ書いたのは、恒等式の定義を知らない人が非常に多いからである。東大合格者でも答えられるのは1%未満であろう。それどころか、高校生に数学を教える立場にある者ですらその定義を答えられる者はその程度かもしれない。定義を知らないものの問題の答を出せても意味がないと思うのだが・・・

宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
言うまでもないことだが、常に以前の学習内容の復習を怠らないようにすること。

2014年3月28日金曜日

3/27 数学Ⅳ 高校数学における“間違いだらけの複素数”

今日は“複素数の定義と計算・2次方程式の解法”について「虚数単位 i の定義」「複素数(complex number)の定義」「実数と複素数の関係・虚数・純虚数」「複素数の相等」「複素数の四則計算の定義」「共役複素数とその性質」「複素数の大小関係を考えない理由」「複素数の簡約法則」「負の数の平方根とその表記法」を講義した。

高校数学関連の書物における複素数の記述は間違いだらけである。と言うより間違ったものしか見かけない。最もよく見られる間違いの一つは、「複素数の相等」を“天から授かったものの”ように扱い、「a+bi=c+di ⇒ a=c かつ b=d」を証明したりする記述である。しかし、これは複素数の相等の定義であり、もちろん証明すべきことではない。ピンとこない人はよく考えていただきたい。複素数における相等「=」を定義していない状態では、そもそも「a+bi=c+di」と書くこともできないし、書いてもそれは意味のない記号である。
他にも間違った記述や誤魔化しているものも色々ある。虚数単位 i を便宜上√-1 と書くと決めただけで、√-2 や√-3 などの記述も自動的に存在するかのように書かれているものなどもそうだ。このあたりの誤りについて注意した上で、「複素数に実数と同じような大小関係を導入することはできない理由」や「共役複素数とその性質」などについても講義した。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
言うまでもないことだが、常に以前の学習内容の復習を怠らないようにすること。

2014年3月27日木曜日

3/26 数学Ⅲ 命題の対偶の証明が命題の証明となる理由

今回は、前回“集合の記法とその利用”の続き「集合算」「集合の要素の個数」「ヴェン図の利用・集合算」を講義した後、“論理・必要条件と十分条件・同値変形”について「命題・条件・真理集合」「命題論理と真偽表」「逆・裏・対偶」「恒真・恒偽」「トートロジー」「命題の対偶の証明が命題の証明になる理由」「対偶を用いた証明」を講義した。


ある命題の対偶を証明することでその命題の証明をしたことにすることは、一般に認められている証明方法である。しかしなぜそれで良いのかを答えられる人は少ない。しかし、その理由もわからずに対偶の証明をしているとしたら、何も理解していないのと同じことである。今回はその理由も含めて数学で用いる論理について講義した。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。言うまでもないことだが、常に以前の学習内容の復習を怠らないようにすること。

2014年1月12日日曜日

1/11 数学Ⅲ

今回は、前回“式の値の計算法”の残り「分数式の計算の工夫」を講義した後、“2次関数の最大・最小”について「2次関数の最大・最小問題の解き方」「置き換えによる最大・最小」「未知定数の入った2次関数の最大・最小問題の解き方」「定義域が広がるときの最大・最小」「軸が動くときの最大・最小」「区間が動くときの最大・最小」を講義した。

2次関数の最大・最小問題では、関数あるいは変域の中に未知定数が入っている問題が多い。このような場合でも大切なのは「2次関数の最大・最小問題はグラフをかけば解ける」ということである。
この種の問題の解答では場合分けが必要になることが多いため、ほとんどの参考書、問題集、
塾・予備校教材には、「場合分けが重要である」というようなことが書かれているが、ピント外れもいいところである。場合分けは仕方なくやっているだけであって、場合分けそのものが重要なわけではない。重要なのはあくまで「グラフをかく」ことである。グラフをかこうとすれば必然的に場合分けを行うことになるが、場合分けをしようとしてもグラフをかかなければ、どのように場合分けしてよいかがわからないからである。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2014年1月9日木曜日

1/9 数学Ⅲ

今回は“式の値の計算法”について、「次数下げ(リダクション)」「相反型の式の値の計算法」「対称式の利用」「比例式とその値」を講義した。
特に、比例式に関しては、ほとんどの参考書,問題集,塾・予備校教材に「比例式は“  =k ”とおけ」というようなことが書かれているので、注意を促した。実は、比例式が与えられたとき常に“  =k ”とおけばよいというわけではない。では、どのような比例式なら“  =k ”とおけばよく、どのような比例式ならそうしない方がよいのかを説明した。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2013年12月21日土曜日

12/20 数学Ⅰ

今日は、“空間における平面と直線”について「平面」「直線と平面の平行・平面と平面の平行」「直線と直線の垂直・直線と平面の垂直・平面と平面の垂直」を講義した。

中学の教科書や参考書では、直線と直線が垂直であることはこれらの直線が交わるときにのみ定義されている。しかし、この定義では有名な「三垂線の定理」すら証明できなくなってしまうので、片手落ちの定義と言わざるを得ない。当室では高校になっても通用する「直線と直線の垂直」を定義する。


 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
 言うまでもないことだが、常に以前の学習内容の復習を怠らないようにすること。

2013年12月14日土曜日

12/14 数学Ⅰ                                      三角形の相似 ~論理の破綻をおこさないために~

今日は、前回“相似”のつづき「三角形の相似条件の証明」「相似であることの証明」「相似な図形の線分比」「相似な図形の周の長さの比」「相似な図形の面積比」を講義した。

論理性を身につける目的で学習することになっている「中学数学の幾何(図形)」であるが、“相似”という誰もが理解していると思っている項目で、その目的が破綻してしまう教科書・参考書・塾テキストしかないと言っても過言ではない。
三角形の相似の性質や相似条件を証明するために必要となる「平行線と線分比の定理」「中点連結定理(の拡張)」を相似そのものを使って証明しているので、トートロジーに陥っているのである。もちろん、これは明らかな論理の破綻である。
これでは何のために数学を学習しているのか分らない。論理の破綻を、しかも論理が破綻していることに気づかずに、学ぶことが中学数学の目的なのであろうか??

論理の破綻をおこさないためには、言うまでもなく、「平行線と線分比の定理」と「中点連結定理(の拡張)」を三角形の相似の性質を用いずに証明しておき、これらを用いて三角形の相似の性質や相似条件を証明しなければならない。


 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
 言うまでもないことだが、常に以前の学習内容の復習を怠らないようにすること。

2013年10月13日日曜日

10/12 数学Ⅳ ~束を用いるときの注意点~

前回“領域に関する問題”の続き「領域における最大・最小の利用(線形計画法)」「領域と真理集合」を講義した後、“曲線族の定点通過・束・通過領域・パラメーター分離”について「曲線族の定点通過」「定点通過と束」「束を使うときの考え方と注意点」を講義した。
束を使うときは、2曲線 C1 ∶f(x ,y)=0 , C2 ∶g(x ,y)=0 が交点をもつとき,求める図形は方程式 f(x ,y)+t g(x ,y)=0 で表されるとアタリをつけて考えているのであるから、解答の最後に「条件を満たす図形が他にないことの確認」を怠ってはならない。教科書を含め、ほぼすべての参考書や問題集(塾・予備校のテキストも含む)がこの確認をしていないが、方程式 f(x ,y)+t g(x ,y)=0 が条件を満たす図形をすべて表しているわけではない以上、片手落ちの解答であると言わざるを得ない。ピンとこない人は以下の問題を考えてもらいたい。もちろんこの答案は正しくない。束を用いるときには注意が必要であるということを分かった上で用いないと、思わぬ落とし穴にはまることになる。



 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2013年10月6日日曜日

10/5 数学Ⅲ ~条件つき確率の注意・故矢野健太郎先生~

今回は“独立な試行の確率”の続き「反復試行と点の移動」「反復試行の確率の最大値」「n 回戦と反復試行」を講義した後、“条件つき確率・事象の独立”について「条件つき確率の定義・確率空間の再設定」「確率の乗法定理」「条件つき確率の利用に関する注意点」「条件つき確率のもう1つの定義に関する注意」を講義した。
条件つき確率に関する記述は、多くの教科書、参考書、問題集、塾・予備校教材に間違いが見られる(というより、そのようなものしか見たことがない)。間違いであっても答えはあってしまうため、間違いであることを認識していない著者(講師)も多いはずである。その典型を注意したのが以下の問題。



上記の解答の誤りが指摘できない人は条件つき確率の「定義」を分かっていないので、もう一度学習し直していただきたい。 この解答の誤りについて注意を促しているものは、私が知る限り、故矢野健太郎先生の「解法の手びき  確率・統計」だけである。それ以外の著者(講師)は当たり前のようにこのように書いているが、本人が本当に正しく理解しているならば、初学者相手にはその誤りを断った上で書くべきであるし、またどこが誤りであるのかも注意すべきである。それをしている著者(講師)が矢野先生以外に見当たらないのは、その他の方々は正しく理解していないのだろう。昔と違い、大学入試問題を解くのが得意だった者ばかりが、アルバイト→講師の流れで塾・予備校講師になっており、まともに数学の研究をしたことがないので致し方ないことなのかもしれないが・・・

矢野健太郎先生のことをただの参考書をたくさん書いていた大学教授くらいにしか思っていない人も多いようで、「世にいる多くの有名講師が誤っていて矢野健太郎が正しいなんてことはないだろう」なんて考える人もいるかもしれないので注意しておくが、矢野健太郎先生と有名講師ふぜいを比べるのはそれこそトンチンカンである。矢野先生は若くして東大助教授になりプリンストン高等研究所に呼ばれた程の日本が生んだスーパー数学者の1人である。むしろ、なぜこんな超一流の数学者が受験参考書なんて書いてくれていたのだろう??というのが七不思議の一つにあげられても良いくらいで、矢野先生の書籍で学習できた時代は幸せな時代だったのである。

宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2013年9月21日土曜日

9/20 数学Ⅰ ~皆が信じる中点連結定理の間違った証明~

今日は、前回“関数”の続き「比例・反比例のグラフ」「比例・反比例の式の求め方」を講義した後、“中点連結定理”について「中点連結定理の証明」「中点連結定理の利用」を講義した。

学校の教師は言うに及ばず、すべての教科書とほぼ全ての中学生用参考書(塾テキストも含む)が間違っているのだが、中点連結定理を相似を用いて証明することは許されない。その理由は簡単で、三角形の相似条件を証明するときに中点連結定理の拡張を用いるからである。しかし、そのことすら知らない指導者がほとんどであるのは非常に嘆かわしいことである。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
 また、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2013年9月15日日曜日

9/14 数学Ⅲ ~確率空間の設定の違いについて~

前回、“確率の基礎概念”について「確率の基本用語(試行・標本空間・事象・根元事象など)の定義」「確率の定義・確率空間の設定」「確率計算の意味と流れ」について講義して、簡単な確率の問題(中学レベル)を使って、確率空間の設定について厳密な議論を行ったが、今回は「確率空間の設定を上手にすることによって簡単になる問題」「確率空間の設定によって答が変わってしまう問題」「和事象の確率・事象の排反と和の法則」「排反でない事象の和事象の確率」を講義した。

「確率空間の設定を上手にすることによって簡単になる問題」や「確率空間の設定によって答が変わる問題」については他書ではほとんど目にしたことがないが、確率というものを天から降ってきたもののように勘違いしている人が非常に多いので、確率というものは人為的に決めるものであるということを実感してもらいたいという教育的配慮から毎年指導することにしている。
「確率空間の設定を上手にすることによって簡単になる問題」としては


を用いた。この問題の32チームの部分を16チームとして2回戦の部分を何通りかでやらせる問題が、大学受験問題集の中で最も難しいものとして名高い「大学への数学 新数学演習」に掲載されている。その解答は確率空間の設定がヘボいため面倒な計算をしなければならないが、確率空間を上手く設定すればこの問題は即答できる問題である。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2013年8月5日月曜日

8/3 数学Ⅳ ~数学的帰納法の誤解に見る          「教師、塾・予備校講師の質の低下」~

今日は“数学的帰納法・数列の帰納的定義”について、「数学的帰納法の原理」「数学的帰納法」「数学的帰納法を使う場合の答案の書き方」「数学的帰納法の変化型(1)」「数学的帰納法の変化型(2)」「数学的帰納法の変化型(3)」「数学的帰納法の利用」を講義した。

数学的帰納法を「将棋倒し」や「ドミノ倒し」を例にして説明している参考書、塾・予備校テキスト、塾・予備校講師、教師が多い(というよりほとんどである。私も学生時代このような説明を受けた。)が、この説明は不適切である。数学的帰納法の原理は自然数の定義の一部すなわち自然数の本質であり、数学的帰納法の原理によって自然数に関する命題を証明できるということは無条件に受け入れなければならないものである。これは自然数が無限集合であるが故のことであり、無限というものをとらえきれない人間にとっては致し方ないことなのだ。もちろん、n が有限なら「将棋倒し」や「ドミノ倒し」の例で構わないのだが、有限と無限は本質的に異なるものだということを忘れてはならない。でなければ、「無限に並ぶ将棋駒(ドミノ)が次々に倒れていくとして、いつになったら全部倒れるのですか?」という答えられない質問をぶつけられることになってしまう。
また、「毛が何本抜けてもハゲではない」ということを数学的帰納法で証明できるが、それは現実には合わないので、数学的帰納法は万能ではないなどと、本物のアホとしか思えないことを堂々という教師や塾・予備校講師もいる(田舎育ちで近くに塾がなかったので、長期休暇中に予備校の講習会に参加したこともあったが、そのような講義を某予備校で受けて、呆れてその後の講義を受けなかった記憶がある。他に何人もそのような授業を受けたことがあるという人を知っている・・・)が、そもそも数学的帰納法の原理は自然数に関する“命題”の証明を保証するものであるということを忘れてはいけない。ハゲであるとかないとかいうことは、その人の感覚によって判断が違うので命題でないのは小学生でも分かることなのだが・・・

教師、塾・予備校講師の質の低下は20年以上前から進んでいたということなのだろう。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2013年5月27日月曜日

5/25 数学Ⅳ ~指導者もよく間違える「恒等式の定義」~

今日は前回“3次方程式の解と係数の関係”の残り「3次方程式の解と係数の関係の利用」「3次方程式の解と係数の関係の応用」を講義した後、“恒等式と絶対不等式”について「恒等式の定義」「未定係数法の原理」「未定係数法」を講義した。

特に、「恒等式の定義」については、高校生は言うに及ばず多くの指導者が間違っているので、かなり時間をかけて詳しく指導した。このように書いても、多分、「恒等式なんて、ある特定の値ではなく全ての変数に成り立つ等式のことだろ?そんなもの間違える奴なんているのかよ」といった反応しか返ってこないと思うが、それこそが問題なのだ。つまり、“全て”という場合には常に“どこで”ということが明確でなければならないからだ。同じ“全て”でも“有理数”においてと“実数”においてでは意味が異なってくる可能性がある。そこまで分かっていて初めて恒等式というものが分かっていることになる。すなわち、恒等式とは「左辺と右辺が関数(写像)として等しい式」のことなのだ。ここまで書いてもピンとこない人は「多項式」と「多項式関数」の定義の違いは何か言ってもらいたい。この違いが言えないならば、“恒等式”についても“未定係数法の原理”のありがたみについても何も理解できていないと言わざるを得ない。


宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。

2013年2月11日月曜日

2/9 大学受験数学Ⅱ

今回は“数・式・論理”について、「式の値」「有理数・無理数の定義」「log102 が無理数であることの証明」を講義した。
日本有数の難関大学に合格するような人なら誰でも「√2 が無理数である」ことを証明できる。ところが、そのような人に「無理数って何ですか?(無理数の定義は何ですか?)」と尋ねると、答えられないことがよくあるのには驚かされる。その瞬間に、この人は過去に同じ問題や似た問題をやったことがあるから「√2 が無理数である」ことを証明できているだけであって、本質的には何も分かっていないということが判明してしまうのである。「無理数が何であるかを知らないのに、√2 が無理数であることを証明できたところで何の意味があるのだろう?」と自分自身に疑念を抱かなくてはならないはずだ。私の生徒はそのような人にはなってもらいたくない。

宿題は今日の復習をしっかりとして、今日扱った問題は
“いつ何時(なんどき)誰に訊かれても瞬間的に解ける”←猪木さんの“いつ何時誰の挑戦でも受ける”のパロです
ようにしておくこと。

2012年12月9日日曜日

12/7 数学Ⅰ~ほとんどの人が分かっていない“相似”~

今回は、いよいよ“相似”についての講義。
世の中のほとんどの人(東大生であろうと京大生であろうとほぼ全員)は“相似”という概念を分かっていない。一見あまりに簡単すぎる概念のため、信じがたいかもしれない。信じられない人は、まず“相似”の定義を言ってみてもらいたい。
多分言えないのではないだろうか?
「形が同じで大きさの違う2つの図形を相似という」といったもっともな答えが返ってきそうだが、考え直していただきたい。
“形”とは何ですか?と訊かれたらどう答えるかということに気づいていただきたいのだ。
数学においては定義のないものは扱えないと以前書いたが、これまでの数学(少なくとも中学・高校の数学)で“形”というものは定義していないのだから、当然、それを“相似”の定義に使用することもできないのである。
私の知る限り、すべての教科書、参考書、塾・予備校教材で“相似”の定義を書いてあるものを見たことがないし、、“相似の性質”や“三角形の相似条件”の正しい証明も見たことがない。
ここまで書けば、世の中のほとんどの人が“相似”という概念を分かっていないということも納得していただけるだろう。
当室では、「数学の基礎的な力とは“数学の定義・定理,数学の論理構成を徹底して身に付ける”ことによってのみ養われるものであり,それが完全に身に付くことが数学の発展的な力(難問を解ききる力)となる」という考えから、“相似”についても正しい定義を行い、“相似の性質”や“三角形の相似条件”もきちんと証明している。

具体的には、「拡大(縮小)」「相似の定義」「相似の中心・相似の位置」「相似な多角形の性質(相似な三角形の性質の証明)」「相似比」「三角形の相似条件の証明」を講義した。


宿題は今日の復習をしっかりとすることと、先日返却した総復習テストで間違った問題を二度と間違わないようにすること。

2012年11月22日木曜日

11/17 大学受験数学Ⅰ~条件つき確率~                その間違いがわかりますか?

今回は“条件つき確率”について「条件つき確率の定義・確率空間の再設定」「条件つき確率のもう1つの定義」「条件つき確率の利用に関する注意点」「条件つき確率の問題」を講義した。

先日、「教科書や参考書は間違いだらけ」と書いたが、信じられない人も多いだろう。そういう人は「もしかしたら自分は、自分で気づいていないだけで、日本人独特の『お上の言うことを鵜呑みにしてしまう人間なのかもしれない』」と疑ってみた方がいい。

この“条件つき確率”という項目も、ほとんどすべての教科書・参考書・塾テキストが間違っている項目である。
まず、条件つき確率の定義を書いていないもの、これは論外である。数学において定義のない概念を議論することなどできない。特に多いのが、具体例をあげて、「このような確率を条件つき確率という」というスタイルのものだが、これは定義とは言えない。分かりやすくするために具体例を上げるのは大事なことだが、定義は定義できちんと行わなければならないのは当然のことである。しかし、それを行っていないものが多いのだ。
また、間違いとは言えないが、明らかな説明不足であるのが、その定義の仕方である。この説明の足りなさが、“条件つき確率”というものが受験生にとって意味不明で掴みどころのないものになっていると思う。
当室では、条件つき確率を確率空間の再設定を行って定義するのだが、その説明が面倒なのか、結果的に同じ定義であるものでも、ベン図のような絵を書いて面積の割合に見立てるだけで、確率空間を再設定していることにはふれないものばかりである。また、当室では「条件つき確率のもう1つの定義」としている以下の定義を行っているものも多い。






もちろん間違いではないし、こちらの方が便利な場合も多いのだが、これをいきなり条件つき確率の定義にしてしまうと、以下の乗法定理とよばれる式が単なる(※※※)の式変形に過ぎず、“何ゆえに定理たりえるのか?”が全く理解できないはずである。当室では、確率空間の再設定による定義から以下の乗法定理を証明し、乗法定理の式変形として(※※※)を得るという流れで指導している。




ネーミングは意味もなく行われているわけではない。わざわざ“定理”と書くにはそれなりの理由があるのだ。思い起こしてみてほしい。わざわざ“~定理”とネーミングされたものをいくつ知っているか?と。意外に少ないはずである。以前から書いている“中点連結定理”も同じである。意味もなく“定理”と付いているわけではないのだ。重要だからついているのである。そのような重要なものが、定義の式変形で終わりとか、相似の性質より明らか、であるはずがないのだ。このような意味のないネーミングになってしまっているのは、教科書や・参考書がその導入を間違っているからである。


また「条件つき確率の利用に関する注意点」として、以下のような問題を作成して講義した。

 
この考え方の誤りがわかるだろうか?
多分、分からないのではないだろうか・・・
私の知る限り、1冊の例外を除いてすべての教科書・参考書・塾教材にこのような解答が書かれているし、先の条件つき確率の定義における具体例で上記の類の説明がなされることも多いくらいである。しかし、これは明らかな間違いで、答えがあっているだけである。
教科書作成の東大や京大の名誉教授クラスの先生方が、まさかこの誤りに気づいていないとは思えないし、教科書は大学受験をしない生徒にも読ませなければならないものだから、厳密さよりも分かりやすさを重視して書くということには一定の理解は示せるものの、わかりやすさというような主観的なものは人それぞれ違うのだから、分かりやすさを重視して間違ったことを書くというのはやはり違うのではないかと思う。
一方、大手大学受験予備校や塾でそれなりの地位にある大先生がこのような間違いを平気で自分の本に書かれていらっしゃるのは、読者のわかりやすさに配慮したものではなく、明らかに本人の理解不足ゆえのものであるので、情けない限りである。

私自身は、高校生の頃、この解答は誤っているのではないかと思ったのだが、昔の田舎の高校生が手に入れられる参考書には限りもあったし、そのどれを見ても同じスタイルの解答が書かれていたので、自分が間違っているのか?と思いもしたが、条件つき確率の定義からどう考えても明らかに自分が正しいと信じていた。ただ、それを確信にしてくれる本を読んだことがなかった。

そして、月日は流れたが、何十冊という教材に目を通した結果、私が指摘する誤りを同じく指摘しているものはたった1冊、故矢野健太郎先生の「解法の手びき 確率・統計」(絶版)のみであった。
矢野健太郎先生はアラ30以上の人には参考書ばかり書く大学の先生というイメージが強いかもしれないが、実は数学者として超一流で、東京大学を卒業して東京大学の助教授になられ、その後に当時から世界最高峰として知れ渡っていたプリンストン高等研究所に呼ばれた程の大数学者である。プリンストンではかのアインシュタインとも親しくされており、現在の日本に矢野健太郎先生クラスの数学者はほとんどいないのではないだろうか・・・
そのような本物の数学者が書かれた参考書を読むことができないだけでなく、商業主義に走った間違いだらけのエセ参考書しか読めない今の高校生は可哀想である。

大手予備校・塾の先生方は数学の問題を解くのが得意で大学生になってアルバイトをしてそのまま講師になってしまった人が多く、数学を真面目に勉強したことのある人はほとんどいないようだ。しかし、自分が本を書く以上はもっと謙虚になって勉強し直してはいかがかと思う。数学では問題を解けることと数学を正しく理解していることとは同じではないのだから。


宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。

2012年11月17日土曜日

11/16 数学Ⅰ

今回と次回は、この数学Ⅰの幾何授業のクライマックスと言える内容の講義になる。
具体的には、「平行線と線分比の定理」「中点連結定理の拡張」「平行線による線分比の移動」を講義した。


私の知る限り、すべての教科書と参考書に載っているこの定理の証明には、相似の性質が用いられているが、それは明らかな間違いである。教科書や参考書には正しいことしか書いていないと思っている能天気な人が多いので注意しておくが、教科書や参考書は間違いだらけである。ところが、それを注意すべき立場にある学校の先生や塾の講師もその間違いに気づいていないレベルなのでどうしようもないのだ。そして子供たちは間違いを正しいと信じ込まされている。
論理性を磨くはずの数学の学習において、嘘を信じ込まされているのではどうしようもないではないか?
実は、この定理に相似の性質を用いてはならない理由は“明らか”なのだ。それは相似の性質を証明するのにこの定理を使うからである。つまり、この定理の証明に相似の性質を使って証明した気になっても、それは何もしていないのと同じことなのである。
この点については、中点連結定理やその拡張についても同じことが言える。

来週は祝日で休室、再来週は5週目休室なので、この休みを使って今日の内容以外にもこれまでの全ての内容をしっかり復習してきてもらいたい。