本年度は開成高校に2名が受験して2名が合格した。これで当研究室開室以来、7名が開成高校を受験して6名が合格したことになる。その合格率は実に85%を上回る。
この内、当室独自の判断基準で開成高校に合格できると判断した生徒は6名で、6名全員が合格した。こちらが合格は難しいと判断しても、生徒が受験したいと言う場合には、無理にそれを止めることはできないので、さすがに合格率100%というわけにはいかない。逆に、どこかの塾のように本人が受けたいと言っているわけでもないのにしつこく勧めて受験させるというようなこともしない。
「開成高校合格〇〇人!」と騒いでいる塾があるようだが、合格者数で騒ぐのは止めて、開成高校に何人受験して何人が合格したのかを発表していただきたいものである。でないと、毎年卒業生の何人(何十人?何百人?)かは単なる “数打ちゃ当たる”傭員にされ続けることになるだろう。
他塾には真似のできない高い合格率をどうして当室が出すことができるのか?
それは基礎を徹底しているからである。
「そんなことどこの塾でもやっているのではないか!?」という声が聞こえてきそうだが、私には、言っているだけでやっていないとしか見えない。“言う” のと “やる” のは全く違うということくらい誰だって分かっているはずなのに、多くの保護者は “塾が言っていること(スローガン)” にばかり気を取られて入塾させて、“塾がやっていること(現実)”の検証はしていないのではないだろうか?
どの塾もスローガンだけは立派なものが並んでいる。「量より質の学習」、「応用に結びつく基礎力の養成」、「思考力を育む授業」等々。しかし実際は、沢山の宿題を出したり、講習や合宿や特訓と称して長時間生徒を拘束して沢山の課題をやらせているのが現実であるし、どこまでが基礎でどこからが応用なのかの規定もなければ、思考力の定義もしない。スローガンの独り歩きもいいところである。塾が掲げたスローガンや指導方針に生徒が勝手に従わずに成績が伸びないのは生徒の責任だが、塾が自ら掲げたスローガンや指導方針とは異なる指導をして生徒の成績が伸びないのであれば、それは詐欺ではないのか?!
“基礎の徹底” それは世の中で思われているほど簡単なことではない。
“徹底”するためには何度も同じことを繰り返さなければならない。ということは、限られた勉強時間では沢山のものをやらせることはできないはずなのである。
つまり、「沢山のものをやる」≒「徹底できていない」ということである。
にもかかわらず、なぜ多くの塾が沢山の宿題を出し、講習などと称して長時間生徒を拘束して沢山の課題をやらせようとするのか? また、なぜ生徒も保護者も何の疑問も持たずにそれに従うのか?
それは、沢山のものをやらせていれば、沢山のものをやらされていれば、互いに安心できるからだ。
そして、その安心と引き換えに、基礎を徹底できないままになってしまうのである。
「沢山のものをやらせない」ためには、指導する側の力量が問われる。自分の教えることで合格するのに必要十分であるという確信が。でないと生徒はついてこれない。そんな力量のある指導者がほとんどいないというのが現実なのだろう。
このような正論をいくら語ったところで、それを理解して下さり当室に生徒を通わせていただける保護者の皆様がいらっしゃらなければ、この正論も机上の空論に終わってしまう。
当室の指導方針を理解し賛同して下さったこれまでの保護者の皆様、そしてこれから理解して下さるであろう方々に感謝いたします。