2012年11月17日土曜日

11/16 数学Ⅰ

今回と次回は、この数学Ⅰの幾何授業のクライマックスと言える内容の講義になる。
具体的には、「平行線と線分比の定理」「中点連結定理の拡張」「平行線による線分比の移動」を講義した。


私の知る限り、すべての教科書と参考書に載っているこの定理の証明には、相似の性質が用いられているが、それは明らかな間違いである。教科書や参考書には正しいことしか書いていないと思っている能天気な人が多いので注意しておくが、教科書や参考書は間違いだらけである。ところが、それを注意すべき立場にある学校の先生や塾の講師もその間違いに気づいていないレベルなのでどうしようもないのだ。そして子供たちは間違いを正しいと信じ込まされている。
論理性を磨くはずの数学の学習において、嘘を信じ込まされているのではどうしようもないではないか?
実は、この定理に相似の性質を用いてはならない理由は“明らか”なのだ。それは相似の性質を証明するのにこの定理を使うからである。つまり、この定理の証明に相似の性質を使って証明した気になっても、それは何もしていないのと同じことなのである。
この点については、中点連結定理やその拡張についても同じことが言える。

来週は祝日で休室、再来週は5週目休室なので、この休みを使って今日の内容以外にもこれまでの全ての内容をしっかり復習してきてもらいたい。