2013年7月26日金曜日

7/25 数学Ⅳ ~保護者の注意点 : 子供の学習の現実 ~

今日は木曜日だが、夏期特別時間割ということで、土曜日とは別のテーマで数学Ⅳの授業を実施する。
第1回目は“2直線の位置関係・点と直線の距離”について「内分点・外分点の座標」「三角形の重心の座標」「1次方程式 ax+by+c=0 の表す図形」「2直線の平行・垂直条件(標準形)」「2直線の平行・垂直条件(一般形)」「標準形だけでなく一般形の2直線の平行・垂直条件も憶えておかなければならない理由」「点と直線の距離」を講義した。

今日の授業中、「三角形の重心の座標」を講義したとき、数名の生徒に「三角形の重心とは何ですか?」と質問したが、答えられない生徒がいた。その中には、この春、都立で最も難しい高校に進学した生徒も混ざっていた。もちろん、その生徒に受験直前にこの質問をして答えられなかったはずはないのだが、受験が終わって3ヶ月も羽根をのばせばほとんどの生徒はこうなってしまう(ちなみにこの生徒は再三の忠告にもかかわらず、部活を理由に復習テストを受けていなかった)。
多くの人(特に保護者)は成績優秀な生徒のことをもともと頭がいいと思っているが、その考えは誤りである。成績優秀なのは日々の努力の結果であって、頭が良いからではない。でなければ、先の生徒のことさえ説明がつかない。頭が良いから成績が良かったのならば、突然頭が悪くなることなどありえないのだから、以前答えられた質問には答えられるはずである。成績を支えていたのは日々の努力だったから、努力をしなくなった結果以前答えられた質問に答えられなくなったのである。
中学受験でもそうだが、ほとんどの保護者は受験が終われば「しばらくは様子見」とばかりに通塾をやめさしてしまう。高校受験でもそういうケースがほとんどだと思うが、それは非常に甘い考えだということを保護者の皆さんにはご理解頂かなければならない。中学受験を終えて、中2のなかばくらいに学力不振で相談にこられるケースは多いが、我々の目から見ると、当室で参加できるクラスは「数学Ⅰと英語Ⅰしかありません」というような状態になっているのがほとんどである。保護者は「中高一貫」という言葉に何かの魔法を求めているようだが、そんなものがあるはずはない。「中高一貫」校の教員も他の教員と同じ教員採用試験で資格を取っただけなのだから、特別な技能を持ち合わせているはずなどないのは明らかだと思うのだが・・・
何かあるとすれば、学校や教員側にあるのではなくて、入学試験を課すことによって選ばれた「努力を続けられる可能性の高い生徒」が普通の公立中学よりも多いというだけである。そして、そうでない生徒(単に中学入試対策を早くからしていただけとか、塾にかかりっぱなしだったおかげで合格できただけで、自ら努力をできない生徒)にとっては高校受験がないために、真剣に学習に向き合うきっかけを無くすだけである。

保護者にとって大事なことは、中高一貫校や難関校に入学させたことで安心するのではなく、自分の子供が塾なしでも正しい学習ができ、その努力を持続させられるのかどうかを判断することである。


 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。