2013年9月15日日曜日

9/14 数学Ⅲ ~確率空間の設定の違いについて~

前回、“確率の基礎概念”について「確率の基本用語(試行・標本空間・事象・根元事象など)の定義」「確率の定義・確率空間の設定」「確率計算の意味と流れ」について講義して、簡単な確率の問題(中学レベル)を使って、確率空間の設定について厳密な議論を行ったが、今回は「確率空間の設定を上手にすることによって簡単になる問題」「確率空間の設定によって答が変わってしまう問題」「和事象の確率・事象の排反と和の法則」「排反でない事象の和事象の確率」を講義した。

「確率空間の設定を上手にすることによって簡単になる問題」や「確率空間の設定によって答が変わる問題」については他書ではほとんど目にしたことがないが、確率というものを天から降ってきたもののように勘違いしている人が非常に多いので、確率というものは人為的に決めるものであるということを実感してもらいたいという教育的配慮から毎年指導することにしている。
「確率空間の設定を上手にすることによって簡単になる問題」としては


を用いた。この問題の32チームの部分を16チームとして2回戦の部分を何通りかでやらせる問題が、大学受験問題集の中で最も難しいものとして名高い「大学への数学 新数学演習」に掲載されている。その解答は確率空間の設定がヘボいため面倒な計算をしなければならないが、確率空間を上手く設定すればこの問題は即答できる問題である。

 宿題は今日の復習をしっかりとして、次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。
復習テストには前回以前の問題も数題入れるので、常に以前の復習を怠らないようにすること。