2012年5月30日水曜日

5/26 大学受験数学Ⅰ                        「勉強なんて社会に出たら関係ない」というのは本当か?

今回は前回に引き続き“2次方程式”から「2次方程式が実数解をもつための条件」「2次方程式の解と係数の関係とその利用」「2次方程式の解の公式を用いた2次式の因数分解」「完全平方式」を講義した。

「2次方程式が実数解をもつための条件」を扱う問題では問題文の表現に十分に注意しなければならない。“異なる2つの実数解”と“異なる実数解”では扱いが違うということである。これは受験レベルでは常識なのであるが、知らない人も多い。その原因は簡単で、教科書はもちろんのことほとんどの参考書に明記されていないからだ。
日常生活では“異なる”と言えば2つ以上のものに対して言うのが当たり前だし、実数解が高々2個しかない2次方程式に対してこの言葉を使えば、それは“異なる2つ”を表していると考えるのが当然と考えがちだが、正しくはそうではない。数学で“異なる実数解”という場合、それは重解も含むと考えるのである。
是非とも忘れないでもらいたい。

2次方程式の解と係数の関係については、10年位前までは中学3年生の内容であったが、現在の文科省の指導要領では高校2年生の内容となっている。本当に文科省というのは一体何のために存在しているのだろうか?
ご存じない方も多いと思うが、日本の「ゆとり教育政策」は40年近く前から計画されて少しずつ準備され、20年近く前に本格的に実行された。それがどうしようもないレベルにまでなり、社会問題にまでなったのが10年位前の指導要領だった。「円周率が3」「小学生は台形の面積の公式を習わない」といったものが報道されたが、この「2次方程式の解と係数の関係」が高2内容にされたのもその時期だったと思う。
日本が「ゆとり教育」に舵をきったのに対して、韓国は逆に「詰め込み教育」を認めた。40年たった現在、国連のトップも世界銀行のトップも日本人ではなく韓国人である。
勉強なんて社会に出たら関係ないという大人は多いが、果たして本当にそうなのだろうか?
「社会に出たら勉強だけでは駄目だが、(特別な才能でもない限り)最低限、勉強はできないといけない」というのが正しいと思うのだが・・・


宿題は、今日の授業の復習と次回復習テストで合格点をとれるようにしてくることと、「体系数学2代数編~場合の数~」を学習しておくこと。