今回は、いよいよ“相似”についての講義。
世の中のほとんどの人(東大生であろうと京大生であろうとほぼ全員)は“相似”という概念を分かっていない。一見あまりに簡単すぎる概念のため、信じがたいかもしれない。信じられない人は、まず“相似”の定義を言ってみてもらいたい。
多分言えないのではないだろうか?
「形が同じで大きさの違う2つの図形を相似という」といったもっともな答えが返ってきそうだが、考え直していただきたい。
“形”とは何ですか?と訊かれたらどう答えるかということに気づいていただきたいのだ。
数学においては定義のないものは扱えないと以前書いたが、これまでの数学(少なくとも中学・高校の数学)で“形”というものは定義していないのだから、当然、それを“相似”の定義に使用することもできないのである。
私の知る限り、すべての教科書、参考書、塾・予備校教材で“相似”の定義を書いてあるものを見たことがないし、、“相似の性質”や“三角形の相似条件”の正しい証明も見たことがない。
ここまで書けば、世の中のほとんどの人が“相似”という概念を分かっていないということも納得していただけるだろう。
当室では、「数学の基礎的な力とは“数学の定義・定理,数学の論理構成を徹底して身に付ける”ことによってのみ養われるものであり,それが完全に身に付くことが数学の発展的な力(難問を解ききる力)となる」という考えから、“相似”についても正しい定義を行い、“相似の性質”や“三角形の相似条件”もきちんと証明している。
具体的には、「拡大(縮小)」「相似の定義」「相似の中心・相似の位置」「相似な多角形の性質(相似な三角形の性質の証明)」「相似比」「三角形の相似条件の証明」を講義した。
宿題は今日の復習をしっかりとすることと、先日返却した総復習テストで間違った問題を二度と間違わないようにすること。