2013年1月29日火曜日

1/26 大学受験数学Ⅱ

今日はまず最初に、数学Ⅱ・B範囲の総復習テストを抜き打ちで行なった。問題はテキストと全く同じ問題である。結果は燦々たるもので、0点が数名。しかし彼らは普段平気で志望校に難関大学の名前を口にする。私には意味がよく分からない。

まず、前回講義した「イデアル」について復習した。もちろん、「イデアル」は高校数学の教科書や普通の参考書・問題集には出てこない。ということは、前回扱った問題 ↓ は「イデアル」を知らなくても解けるはずである。ちなみに、この問題は名著として名高い昔の「大学への数学・新作問題演習」(もちろん絶版)に掲載されている有名問題である。

そこで、「イデアル」を使わずに普通の受験生が解く方法を考えてもらった。そのことによって、なぜ「イデアル」をわざわざ教えたのかということの意味が分かってもらえると思ったからである。
普通の受験生が解く方法は、多項式の次数に着目して、かける式 P(x) , Q(x)  の未知係数を文字で設定して、未定係数法によって解く方法であろう。しかし、この方法はかける式の次数を少しずつ上げていかなければならず、もしかける式の次数が高い場合には中々正解にたどり着けないことになる。今回は結果的にかける式は1次と2次で上手くいくからそのようなことは起こらないが、起こる場合もありうるということである。さらに、未定係数法で解くとかなり計算が煩雑になるのは解かなくても想像がつく。そこで、f(x) と g(x) が因数分解できることに着目して、f(x)=0 , g(x)=0 となるような整数 x を代入することで、方程式に帰着する方法を思いつく人もいると思う。この方法なら未定係数法よりもかなり計算が楽になるので、より良い解法と言えると思う。ただ、問題文には「P(x) , Q(x) を求めよ」とは書かれていないことに注目してもらいたい。上記の2つの方法はどちらも 「P(x) , Q(x) を求める方法」である。そこで、前回の授業で解説した「イデアル」を用いた解法が、「P(x) , Q(x) の存在」のみ示すために計算がほとんどいらず非常に明快である(残念ながら、この方法は上記「大学への数学・新作問題演習」にも載っていない)ので、憶えておいてもらいたい。

今回は、さらに「イデアル」について理解を深めてもらうために「2つの整数が生成するイデアル」の重要性質に関する問題を講義した。


宿題は今日の復習をしっかりとして、今日扱った問題は
“いつ何時(なんどき)誰に訊かれても瞬間的に解ける”←猪木さんの“いつ何時誰の挑戦でも受ける”のパロです
ようにしておくこと。