2012年3月4日日曜日

3/3 大学受験数学Ⅱ

大学受験数学Ⅱは昨年度の高校数学Ⅰからの接続授業としての位置づけである。

高校2年で理系志望の生徒のことを考えて、「微分法」からスタートした。
通常の数学Ⅱのカリキュラムは「式と証明・方程式」→「図形と式」→「三角関数」→「指数関数・対数関数」→「微分法・積分法」となっているので、いきなり「微分法」なんてありえないと思われる方もいらっしゃると思うのだが、数Ⅱの微分法・積分法は多項式の範囲でしか議論されないので、数Ⅰ・Aの内容と数Ⅱの多項式の除法~因数定理くらいの内容が既知であれば、十分学習可能なのである。もちろん、数Ⅲの微分法・積分法をやる前には数Ⅱの「三角関数・指数関数・対数関数」の学習は必要になるのだが、当室では高校数学Ⅰで三角関数は既習であるので、指数・対数関数の学習さえ済ませば数Ⅲも学習可能というわけである。

授業ではテキストp.197~201を学習した。
内容は「関数の極限値」「微分係数」「導関数」。
関数の極限値の学習で注意しなければならないのは、定義域の変数 x がある値 a に近づくとき、
「常に a とは異なる値を取る」ということである。高校数学では関数の極限と連続性の議論がかなりいい加減なために、この辺りのことを生徒に力説して注意しておかないと勘違いをする生徒が続出する。多くの参考書や問題集の記述の仕方にも問題があるのだが、極限値を考えるとき「x に a を代入する」と思ってしまう生徒は非常に多いので要注意だ。
p.198 例題159 (1) では解答に誤りというか不必要な記述があるので注意してもらいたい。
「必要十分条件」の十分条件の記述の際に、多くの参考書・問題数でよく見かける間違いだ。このことについては、確か、駿台予備校の清先生もよくある間違いだと著書「数学の幸せ物語」の第1話で取り上げていたと思う。興味のある人は読んでもらいたい。
また、(2) では3次関数の連続性を自明のものとして解答しているような記載があるのだが、上でも書いたように高校数学では関数の連続性と極限の扱いがかなりいい加減なので、一言「3次関数の連続性より」と記載して、関数の連続性の定義くらいは生徒に説明しなければ、勘違いしてしまうだろうと考えて、そのように指導した。

宿題は授業内容の復習と授業内で練習できなかった類題をやっておくこと。
欠席者はテキストp.197~201 の内容を自習して疑問点は質問に来ること。
また、テキストp.197~201 の問題をスラスラ間違わずにできるようになるまで何度でも繰り返すこと。そして次回の復習テスト(授業で扱ったのと同じ問題または宿題のいずれか5問程度を30分で行う)で満点をとれるようにしてくること。入試数学で得点できるようになるには、確実にできる問題を一つでも多く増やしていくことが重要であって、できたりできなかったりするような問題は必要ないということを肝に銘じてもらいたい。