今回は、“いろいろな四角形”を講義した。
前々回、平行四辺形について学習したが、その続きとして、平行四辺形の中でも特別なもの(長方形、ひし形、正方形)についてその性質や相互の関係を学習した。これらの図形については小学校4年生ですでにその性質を学習しているのだが、それらはすべて教科書に書かれていることや学校の先生の言うことを無条件に信じていただけのことで、何の理由も根拠もない。中学での図形の学習の第一歩は、小学校の時に無条件に信じ込まされてきた基本図形の性質を証明することによって、それらが正しかったという根拠を与えることである。
以前にも書いたことだが、「数学なんて社会に出たら何の役にも立たない」と言う大人がよくいるが、彼らは数学の学習の意味を全く理解していないといえる。中学数学の図形の学習は、図形の性質を理解することはもちろんであるが、その証明を通じて論理性を身につけさせると同時に、「他人の言うことを鵜吞みにせず、信じるのは自らの論理的な理性である」という精神を身につけさせるものでもあるのだ(もちろん、文科省の指導要領にそんな目的が掲げられていないことは言うまでもないことだけれど)。「数学なんて社会に出たら何の役にも立たない」と言うのは、「私は何の論理性も身に付けずに今日まで生きてきました」と言っているのとほぼ同義である。そのような人はデカルトの「方法序説」をきちんと読んでもらいたいものだ。「我思う、ゆえに我あり」というデカルトの有名な言葉だけを知っていても意味などないのだから・・・
宿題は授業の復習をしっかりとして次回の復習テストで合格点をとれるようにしておくこと。