2012年8月15日水曜日

8/11 大学受験数学基礎Ⅱ~軌跡に関する問題~

先週の授業で“数列”は一段落ついたので、水曜日から土曜日に“図形と方程式”の授業を持ってくることにした。今回から“図形と方程式”は軌跡、領域、定点通過、束といった、受験生が苦手とする分野に突入するのと、水曜日よりも土曜日の方が生徒の出席率がよいということを考慮した措置だ。

今日は“軌跡に関する問題”から「軌跡の求め方(初等幾何の利用・座標軸を定める必要のある場合)」「一般的な奇跡の求め方」「実践的な軌跡の求め方(順像法)」「実践的な軌跡の求め方(逆像法)」「2直線の交点の軌跡(順像法・逆像法・図形的性質の利用)」「直線と曲線の交点の軌跡」を講義した。

この分野はなかなか独学が難しいと思う。また、同値変形を知らないと論理的な誤りを犯しやすい問題が多い分野でもある。私が受験生だった頃は、この分野では駿台予備校の夏期講習「数学総合研究」が有名で、すべての講座が申し込み開始後数日で完売すると言われていた。「数学総合研究」という名前なのに、全く総合的ではなく、軌跡や領域の問題がほとんどであった記憶があるが、とてもためになる数少ない数学の講座だった。(さすがに今はもう行われていないだろう。当時の「数学総合研究」担当講師であった根岸先生や青塚先生ほど力量のある講師が、現在の駿台にいるという評判は聞かないから・・・)
この分野の参考書・問題集としては前述の「数学総合研究」の講義をまとめ上げ、さらに詳しくしたような内容になっている「新数学問題の解法 写像と軌跡(駿台文庫)」がずば抜けて素晴らしいが、残念ながら絶版であり、アマゾンなどでは2万円近くの値がついたりしている。

これから数回の授業は「数学総合研究」や「新数学問題の解法 写像と軌跡」を初学者向けにコンパクトにまとめた上で、これらには注意されていない論理的に誤りやすい部分に重点を置いたものにしようと考えている。