2012年7月18日水曜日

7/18 理想のテキスト完成を目指して

当室がこれまで築き上げた実績。それは超難関校受験者の合格率であり、そして世間で難関高校とされている高校への進学率である。
例えば、超難関校受験者の合格率でいうと、開成高校受験者7名中合格者6名。筑波大附属駒場高校受験者2名中合格者2名。世間で難関高校とされている高校への進学率は、卒業生の7割である。
こんなことを真似できる塾が他にないことは明白である。

現在、「これまで10年間で築き上げた実績がなぜ可能であったのか」ということを反映した教材作成にいそしんでいる。これまで自分が指導してきた内容は自分が一番よく分かっているし、他塾とは何が違うのかも、そしてそのどこが他塾には真似のできない結果に結びついてきたのかということも、私が一番分かっているつもりだが、そこは謙虚になって、指導者の独りよがりにならないように、卒業生の意見も伺うようにしている。この3月に大学入試を終え、東京大学合格・慶応大学医学部進学を果たした矢野君に、色々と訊いて参考にさせていただいている。

矢野君は小学6年生の最初(小5の3月)から当室に通い始めたが、中学受験をするわけでもなかったので、ほとんど特別に勉強しているというわけではなく、当室の少ない宿題だけをまじめにコツコツやってくるという生徒だった。だから、塾での学習の成果が出始めたのも早かったわけではなかったし、特に数学ができるようになったのは中3の秋以降だった。それまでは、じっくりと基礎学力の徹底をはかっていたという感じだ。しかし、いざその基礎学力が完成したら(時期的には新年を迎えてからであったが)、当室卒業生の中でも3本の指に入る実力を発揮するようになった。本人は安全パイで筑駒を受けなかったが、受ければ間違いなく合格していたと思う。そのように、我々が与えたものだけを完璧にすることによって実力を付けた生徒だからこそ、彼の意見はとても参考になるのだ。

昨年一年かけて、中学数学の計算力を完成させることのできる問題集を最優先にして書き上げたhttp://eisuken2012.blogspot.jp/2012/01/blog-post_24.html
今年は、中学数学の受験レベルでの標準的学力をつけられるテキスト(これを完璧に習得すれば、駿台全国模試(中3)で偏差値55~60は確実に取れるというもの)と高校数学Ⅰ・A の受験レベルでの基礎学力を身に付けられるテキストを作成している。やはりここでも、自分の独りよがりの問題選別にならないように注意して、あらゆる市販の本(旧課程や古いものでは30年位前のものまで)だけでなく、大手塾・有名塾・大手予備校の教材にも目を通して問題を選んで、時には改題を作成するという作業を繰り返し行っている。これは他人が思うより神経の使う作業で、教えなければならない「論点不足はないか?」、「典型的な問題で抜けているものはないか?」ということに気を配らなければならない。安易に問題数を増やすだけなら、このような神経は使わなくて済むわけだが、それは素晴らしいテキストとは言えない。なぜなら、それは指導者の力量ではなく、生徒の猛勉強に期待するというやり方だからだ。開成高校合格〇〇人とか東大現役合格〇〇〇人とかいう塾のテキストは、私の知る限りものすごい分量で、生徒の猛勉強がなければやり終えることなど到底できないものばかりである。当室で生徒に出す課題の10倍以上はある。「そりゃ~、そんだけガリ勉させられたら受かるんだろうけど、そんなにやらされなきゃいけないってことになんか疑問を持たないのかね?? 受験勉強はできるんだろうけど、完全な思考停止だな、これは。」と思ってしまう。
確かに、ある段階まで到達できた後には、問題演習やテスト演習も必要であるが、そのような大量の問題演習を早い段階からやる必要はない。もっと基礎学力の完成と論点漏れに気を使うべきである。逆に言えば、他塾がそのようなテキストしか作成できずに、多くの生徒を潰していってくれるから、当室のようなちっぽけな塾がこのような実績を残してこれたとも言えるのだが、犠牲になっている多くの子供たちがいるということを考えると、喜ぶわけにもいかない。

塾選びの段階でほとんど勝負は決まっているというのは、ある意味で真実のような気がする。