2012年7月15日日曜日

7/13 数学Ⅰ~作図問題の学習時期について~

今日は作図問題について、「基本作図」「垂線の作図」「等しい距離にある点の作図」「角の作図」「円の作図」を講義した。

中1のどの検定教科書でも、図形分野では「図形の移動」の次に出てくる「作図」であるが、この順序になっている意図は全く理解できない。なぜならば、「三角形の合同条件」や「二等辺三角形の基本性質の証明」を学習しない限り、中1の教科書に出てくるレベルの作図でさえ、なぜそのようにすれば作図できるのかという理由を説明することはできないからである。文科省の言い分は「だからと言って、中1の最初に「証明」を学習させるのは、全ての中1生(特に、小学校の算数の学習がかなりあやふやな生徒)にとって適切とは言えない」ということなのだろうが、それなら「作図」を「証明」の後(教科書では中2)に持ってくればいいだけの話である。何も中1の図形分野の最初の部分に持ってくることはなかろう。たぶん、「どうせ、ほとんどの中学生に作図の本質なんて理解できないのだろうから、中1の最初にお絵かきとしてやらせておけばいい」というくらいに考えているのだろう。バカにした話である。

そもそも作図問題というのは非常にレベルの高い問題である。もちろん簡単な問題もあるが、一般の作図問題を考えるときには、大まかに分けて以下の3つの段階に分けて考えなければならず、その意味でもレベルの高いものであることは明白である。

① 条件をみたす図形がかけたと仮定して,その図形を決定する条件を調べて作図の方法を考える.(解析)
② 実際に作図してみる.(作図)
③ できた図形が条件を満たしていることを確認する.(証明)

実際、高校1年生の数学A の「平面図形」では最後の項目として「作図」が取り上げられている。

当室では、このような事実もふまえて、中1で学ぶ作図の根拠が理解できる程度に証明を学習した後で、作図を学習することにしている。


宿題は授業の復習をしっかりとして次回の復習テストで合格点をとれるようにしておくこと。