2012年4月1日日曜日

3/31 大学受験数学Ⅰ

今日は「多項式の除法」「因数定理と剰余定理」を講義した。
現在のゆとり教育課程になってからは数学Ⅱの範囲とされている因数定理と剰余定理だが、十数年前までは数学Ⅰ範囲であった。十数年前まで高1生(中高一貫私立なら中3生)にできていたことが、文科省の決めた指導要領によって今の高1生にできなくなるというのは論理的に考えてありえないことだし、できれば早くから使いこなせるようになれると便利な定理でもあるので、新高1生中心のクラスだが講義することにした。

ちなみに私がこの定理を知ったのは、小学5年生の時だったと思う。こんな便利な定理があるのか!と感心したのを覚えている。当時、高次多項式の因数分解にてこずっていた私に、知り合いの大学生が「こんなの教えちゃっていいのかなぁ~」と言いながら教えてくれたのだが、その後は因数分解する時の武器としてとても重宝した。その大学生は国立大学の学生ではあったが、地方の知名度の低い大学であったので、当時はお世辞にも学力が高いとは言えなかったが、今となっては、因数定理を他人に説明できる大学生がどれほどいるのか疑問である程に大学生の学力は地に落ちているから、その大学生は立派なものだったのだと思う。
それどころか、東大受験専門を謳う某有名塾の数年前までのテキストは因数定理を間違っていたことで有名である。この塾は日本の大学受験の最高峰東大の合格者を中心に構成されているというのに、こんな基本定理を間違えるというのは信じられないことなのだが、現実は現実である。受験テクニックはあっても学力はないということなのだろうか・・・さらに信じられないことに、後に東大に合格する多くの生徒がその間違いに気付かずにテキストの間違いが直されていなかったということである。東大の先生が言うことは全部正しいに違いないと信じ込んでしまったのだろうか? その程度にしか数学を理解していなくても受験テクニックを知っていることで合格できてしまうのが東大の入試問題ということなのだろうか? だとするならば、日本が生んだ大数学者の1人佐藤幹夫先生がおっしゃられた様に「東大をはじめとする大学の数学の入試問題はひどいテストだ」というのが正しい意見ということになってしまうだろう。

当室の生徒には、まず定義と定理を正しく理解し、その上で憶えてもらいたい。
宿題は、今日の授業の復習と次回復習テストで合格点をとれるようにしてくること。